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テーマ:今、黎明のとき―混迷の世界から希望の世界へ―
 私たちはいま、歴史の大転換を迎えています。冷戦終結以来、世界では新たな難問と脅威が次々に登場し、いまだ止まるところを知らず、国際秩序は激しく動揺し続けています。「新しい世界秩序」の姿は見出せぬまま、私たちの前に立ち現れているのは「傷つき苦悩する地球」の姿です。こうした現実は、グローバル化が急速に進む現代にあって、私たち一人ひとりに世界と日本の在り方についての真剣な熟慮を迫っていると思います。
 そのような中、私たちに求められているのは、錯綜する国際関係を調整する「政治的叡智」と「指導力」であり、新たな秩序形成の基盤となる「能力」と「価値観」です。私どもゼミ生も、日々の学びの中で、それらを探求し、あるいは自らのものにすべく努力を続けています。
 しかし、私どもはそうした学びを通して、もう一つ、次代を担うものとして、決して忘れてはならない大切なことに気が付き始めています。
 それは、世界の基本構造が根本的に変わろうとしている「地殻変動」の中で、それがもたらす問題や課題ばかりに目を奪われるのではなく、むしろ、そうした社会構造の変化の中に未来世界の予兆を見出すことの重要性です。さらには、そうした未来の予兆に対する鋭敏な「知覚」を養い、未来を信じ続て努力し続ける「胆力(忍耐力)」を鍛えるということです。
 20世紀を代表する経営学者のピーター・ドラッカーは、「我々が行動可能なのは現在であり、また未来のみである」という言葉を遺しています。過去を変えることはできません。一方、輝く未来を私たちの手で創り上げることは可能です。そして、私たちは、この未来を創ろうとしている今を生きています。
 私どもゼミ生は、このたびの講演会を企画するにあたり、こうした社会構造の大きな変化の中で起きている「新たな価値観」の萌芽を、「新しい現実」の中に具体的に見出したいと考えました。
 様々な人々の日々の具体的な活動や生き方の中に、すでに始まった未来の一場を見出し、加えて、日本及び日本人が未来の創造のために発揮できる「真価」とは何かを考えていく場にして参りたいと思います。
​講演会趣旨
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